『マリア様がみてる』

「ごきげんよう」――。マリア様のお庭に集う乙女たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、背の高い門をくぐり抜けて行く。汚れを知らない心身を包むのは、深い色の制服。スカートのプリーツは乱さないように、白いセーラーカラーは翻らせないように、ゆっくりと歩くのがここでのたしなみ。私立リリアン女学園。ここは乙女の園。

お正月にアニメを一期から四期まで視聴。上の引用文を冒頭で読み上げるのが福沢祐巳こと植田佳奈なんだけど、もはやFate遠坂凛の声のイメージが強すぎて、慣れるまで違和感を感じた。

ゼロ年代初頭にマリみてが流行ったときに百合だと思ってスルーしていた。百合色の強いアニメに感じる違和感はおそらくそれが根源的に子孫繁栄を生存戦略とする人類にとってイレギュラーな行為であるという、ある種のレイシズムからくるものだと感じている。

しかしながら、実際のところ厳密にはマリみてはエスであって百合ではなかった。エスという文化もマリみてを視聴して初めて知ったくらいだった。なんて素晴らしい世界なのか。しかしそれを語るのが三十路も過ぎたおっさんだと思うとなんで俺は少女に生まれてこなかったのかと歯噛みする思いである。とにかくこの作品で百合アニメとその周縁に対する認識は大きく変わってしまった。

マリア様がみてる Complete Blu-ray BOX (初回限定生産)

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